シニア犬の夜鳴き・ぐるぐる歩き ── 老化? それとも認知機能障害?
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「年だから仕方ない、と諦めていたら、ある夜から眠れなくなった」── CDS は早く介入するほど進行を遅らせやすいと報告されている疾患です。
短期間なら様子見していいケース
- 日中はいつもどおり過ごせている
- 夜の鳴きが短時間で、安心させると落ち着く
- 食欲・排泄・歩行に変化がない
こんな時はすぐに受診を
- 同じ場所をぐるぐる歩く、壁を見つめる
- 呼んでも反応しない、家族を認識しないことが増えた
- 昼夜が逆転し、夜中に活動して家族が眠れない
- トイレを忘れる・以前できていた指示に応えない
- 夜鳴きを伴う頭の傾き・歩行のふらつき(神経疾患の併発の可能性)
考えられる病気
関連する疾患・症状
認知機能障害症候群(CDS)
犬の加齢性認知症で、人間のアルツハイマー病に類似する病態が報告されている。SAALモデル(睡眠・活動・認識・学習)の崩れが特徴。早期の食事療法・サプリ・環境調整で進行を遅らせやすい。
高血圧・脳虚血
腎臓病や甲状腺機能亢進症の合併として高血圧が起き、行動変化や夜鳴きの背景になることがある。血圧測定と血液検査で評価できる。
視覚・聴覚の低下
見えない・聞こえないことが不安となり夜鳴きや徘徊を起こすことがある。白内障・核硬化・難聴は加齢で進む。家具配置を変えない・呼びかけを増やすなどの対応が役立つ。
痛みによる不眠
関節炎や歯科疾患の慢性痛で夜が眠りにくくなり、徘徊や鳴きが出ることがある。鎮痛のコントロールで生活の質が大きく変わる。
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よくある質問
▶「認知症だから仕方ない」と諦めるべき?
いいえ。CDS は早期介入で進行を遅らせやすいと報告されている疾患です。さらに、夜鳴きや徘徊の原因が痛みや高血圧であれば、対応次第で大きく改善することがあります。「いつもと違う」と感じた時点で相談を。
▶家でできる支援は?
日中の活動量を増やす・お散歩で嗅覚刺激(クン活)を取り入れる・室内の動線を固定する・夜間の照明を一定に保つなど。サプリ(DHA・EPA・抗酸化)や食事療法も選択肢として獣医師と相談できます。
▶受診時に伝えるべきことは?
行動変化が始まった時期、夜鳴きの頻度と長さ、日中の様子、食欲・排泄の変化、痛がるしぐさ。動画記録があれば診断が早く進みます。PetCase のデイリーログに記録があれば、進行のスピード感を共有できます。
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