犬のお尻歩き・お尻をなめる ── 肛門腺? それとも別の理由?
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「肛門腺が溜まっているだけだろうと放置していたら、化膿して腫れていた」── 肛門腺は破裂すると激痛と発熱を起こしうる、見過ごされやすい部位です。
短期間なら様子見していいケース
- 時々お尻を気にする程度で、便の後に短時間舐めるだけ
- 便はいつもどおり、肛門周囲に腫れや赤みがない
- 元気・食欲は普通
こんな時はすぐに受診を
- 肛門の左右に腫れがある、片側だけ膨らんでいる
- 肛門周囲の発赤・じゅくじゅく・出血
- 座るのを嫌がる、しっぽを下げて歩く
- 便に粘液・血が混じる、排便で痛がる
- シニア犬で肛門周囲のしこりに気づいた(肛門嚢腺癌の疑い)
考えられる病気
関連する疾患・症状
肛門腺炎・肛門腺破裂
肛門腺の分泌物が排出されず炎症・感染を起こすと、激痛・発熱・破裂につながる。小型犬では定期的な圧迫排出が必要なことが多い。
肛門嚢腺癌
シニア犬で見つかるリンパ節転移しやすい腫瘍。直腸検査で気づかれることが多く、早期発見の意義が大きい。
消化器寄生虫
条虫片節がお尻についていることでかゆみが出る。ノミ・ダニ予防の不足や生肉摂取が背景因子。
アレルギー性皮膚炎
肛門周囲・尾の付け根のかゆみを伴うことがある。ノミアレルギーや食物アレルギーが背景にあると、お尻だけでなく顔・足先のかゆみも併発しやすい。
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消化器寄生虫 向け
アレルギー性皮膚炎 向け
よくある質問
▶肛門腺は自宅で絞ったほうがいい?
個体差が大きく、自宅で絞らなくてもよい子もいます。トリミング時に依頼するか、お尻歩きや過剰なめが見られたら獣医師・トリマーに相談を。無理な絞り出しは粘膜を傷つけることがあります。
▶シニア犬のお尻のしこりは触っていい?
優しく触れて場所と硬さを確認する程度は構いません。ただし、しこり自体は受診の対象です。自分で潰そうとせず、写真と気づいた日付を記録して受診してください。早期発見が肛門嚢腺癌の予後を左右します。
▶受診のときに伝えるべきことは?
いつから気にし始めたか、お尻歩きの頻度、便の状態、ノミ・ダニ予防の最終投与日、食事の変化、シニアなら直近 3 か月の体重推移。
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