犬の元気がない、いつ病院に行くべきか ── 「いつもと違う」の見極め
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「ちょっとおとなしいな、暑いせいかな……と思っていたら、夜になって動けなくなった」── 急性腹症や子宮蓄膿症の入口で起こりがちな、受診を遅らせる典型パターンです。
短期間なら様子見していいケース
- 気温・天候変化や運動直後の一時的な静かさ
- おやつには反応する、呼べば顔を上げる
- ご飯・水・トイレはいつもどおり
- 半日以内に普段のテンションが戻った
こんな時はすぐに受診を
- 半日以上、呼びかけへの反応が鈍い/呼ばれても顔を上げない
- ぐったりして立ち上がれない、または立っても震えがある
- 歯ぐきの色が白い・黄色い・紫っぽい
- お腹が張って痛がる、嘔吐・下痢を繰り返す
- 未避妊メスで膿のような分泌物が見える(子宮蓄膿症の疑い)
- 体温が 39.5℃ 以上 or 37.5℃ 以下
考えられる病気
関連する疾患・症状
子宮蓄膿症
未避妊メスのシニアに多い、子宮内に膿がたまる疾患。元気消失・多飲多尿・分泌物・嘔吐が主なサインで、進行すると敗血症で命に関わる。早期手術が予後を分ける。
胃拡張捻転症候群(GDV)
大型・胸の深い犬種で、食後の運動や急激な飲水後に発症しうる。お腹がパンと張る・吐こうとして吐けない・落ち着きなく動き回るが典型。発症から数時間で重篤化する救急疾患。
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
自己免疫で赤血球が壊される病気。歯ぐきの白さ・尿の赤茶色・元気消失が手がかり。血液検査で早期に診断できる。
アジソン病(副腎皮質機能低下症)
若〜中年で発症することもある、副腎ホルモン不足の病気。元気消失・嘔吐・下痢を繰り返す「波のある不調」が特徴で、ストレス後にクライシス(虚脱)を起こすことがある。
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よくある質問
▶夏バテと病気の見分けは?
夏バテなら涼しい場所で半日休むと食欲・呼びかけへの反応が戻ります。一方、病気では涼しさに関係なく反応が鈍いままで、半日以上持続することが多いです。歯ぐきの色・体温・呼吸数を見て判断してください。
▶体温は家でどう測る?
ペット用直腸体温計が最も正確です。耳・脇では誤差が大きくなります。正常範囲は 38.0〜39.0℃。39.5℃ 以上、または 37.5℃ 以下は受診の目安です。
▶夜間救急に行くべきか迷ったら?
立てない・呼びかけに反応しない・歯ぐきの色がいつもと違う・お腹がパンと張っている、いずれかがあれば翌朝を待たずに受診をおすすめします。判断に迷うときは夜間救急に電話して状態を伝えるだけでも進む方向が見えてきます。
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