犬のお腹がパンと張った ── 数時間が命を分ける GDV のサイン
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「食後によく動き回るのを「元気」だと思っていたら、急にお腹が膨らんで吐こうとしても何も出てこなくなった」── GDV は数時間で命に関わる、判断速度が結果を分ける疾患です。
短期間なら様子見していいケース
- 一過性のガス(少量のげっぷ)で、すぐ落ち着く
- 食後のお腹のふくらみが、休んでいる間に自然と引いていく
- 元気・食欲・呼吸がいつもどおり
こんな時はすぐに受診を
- お腹が太鼓のようにパンと張っている、左側がとくに膨らんでいる
- 吐こうとするのに何も出てこない(空嘔吐)
- 落ち着きなく歩き回る、立ったり座ったりを繰り返す
- よだれが大量に出る、苦しそうに呼吸する
- 歯ぐきの色が白い・グレーがかっている、心拍が速い
- ぐったりする・倒れる
考えられる病気
関連する疾患・症状
胃拡張捻転症候群(GDV)
胃にガスがたまり、捻れる救急疾患。大型・胸の深い犬種(グレートデーン・ラブラドール・ワイマラナー・ジャーマンシェパード ほか)で発症リスクが高いと報告されている。数時間でショック・心停止に進む。
腹腔内出血
脾臓型血管肉腫の腫瘤破裂などで、お腹が急に張りつつ歯ぐきが白くなる。GDV と臨床像が似ることもあり、画像検査で振り分ける。
腹水
心臓病・低アルブミン血症・腫瘍・感染で、お腹がゆっくり張ってくる。数時間〜数日のスパンで進行することが多く、GDV のような急性経過とは区別される。
食事性胃拡張(GD のみ)
大量の食事や急な飲水で胃が拡張するが、捻れていない状態。GDV と区別するには画像検査が必要で、軽症に見えても受診を。
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よくある質問
▶どの犬種が GDV のリスクが高い?
グレートデーン・ワイマラナー・セントバーナード・スタンダードプードル・ジャーマンシェパード・ラブラドールなど、胸が深く大型の犬種でリスクが高いと報告されています。シニア・近親に GDV の既往がある犬・1 日 1 回給餌の犬は素因が指摘されることがあります。
▶家で気をつけることは?
1 日 1 回の大量給餌を避け、2〜3 回に分ける/食後 1〜2 時間は激しい運動を控える/早食い防止の食器を検討する、などが一般的に推奨されます。高リスク犬種では予防的胃壁固定術(避妊去勢時に同時実施)も選択肢として議論されます。
▶受診先にどう連絡する?
電話で「胸の深い大型犬で、お腹が張って吐こうとして吐けない」と具体的に伝えると、夜間救急でも先回り対応してもらえることがあります。胃捻転は分単位で進むため、家庭での対処より、車に乗せて電話しながら向かうのが安全です。
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