犬が一瞬だけ倒れた ── 失神とてんかんを見分ける初動
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「興奮した直後にコテっと倒れたけど、すぐ起き上がった。動画も撮れなかったし、まぁ大丈夫かな」── 心臓不整脈や低血糖など、命に関わる疾患の警告を最初に出すのが「一瞬の失神」のことがあります。
短期間なら様子見していいケース
- つまずいて転んだだけで、意識は失っていない
- 激しい運動後の息切れだけで、5 分以内に呼吸も普段に戻る
- 元気・食欲・歯ぐきの色が普通
こんな時はすぐに受診を
- 一瞬意識を失って倒れた(数秒〜数十秒)
- 排便後・興奮直後・咳の発作後の失神
- 泡を吹いた/足が突っ張る/意識が戻るのに時間がかかる(てんかん発作の疑い)
- 舌や歯ぐきの色が変わる、呼吸が荒い
- 反復する/短期間に複数回起きた
- 子犬・小型犬で空腹時の倒れ込み(低血糖の疑い)
考えられる病気
関連する疾患・症状
心臓性失神(不整脈・心臓病)
シニア犬や心臓病の素因がある犬で多い。興奮・排便・運動後など心拍出が一時的に低下する局面で起きる。心エコー・ホルター心電図・血圧で評価する。
神経性発作(てんかん)
意識消失と全身の動き(四肢の突っ張り・泡・尿失禁)を伴うことが多い。失神と異なり、回復に時間がかかることがある。動画があると鑑別が一段早く進む。
低血糖
子犬・小型犬・糖尿病治療中の犬で起きやすい。食事が抜けた/インスリン過剰のときに、震え・ふらつきから倒れ込みに進む。
脳血管障害・前庭症候群
シニア犬で急に倒れた・回る・歩けないとき。失神とは異なり持続的に症状が出る。
GDV(胃捻転)の循環不全
胸の深い大型犬では、急なお腹の張りに続いて虚脱することがある。お腹の張り・空嘔吐・落ち着きなさを伴うかチェック。
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よくある質問
▶失神と発作の見分けは?
失神は意識消失が短時間で、回復後はすぐ普通に戻ります。発作は四肢の突っ張り・泡・失禁・回復に時間がかかるなどの特徴があります。動画を撮って獣医師に見せると判別が大きく早く進みます。
▶受診までに家でできることは?
本人を横にして安静にし、刺激を最小化します。倒れた前後の状況(直前の活動・興奮・食事のタイミング)と、意識消失の時間をメモ。子犬で低血糖が疑われる場合は、蜂蜜を歯ぐきに少量塗ることで持ち直すことがあります。
▶繰り返し起きるけど、毎回すぐ受診すべき?
はい。失神の頻度が増える、持続時間が長くなる、姿勢に関係なく起きる、いずれかが見えたら早めの受診を強くおすすめします。ホルター心電図など、家での記録と組み合わせた検査が診断に役立ちます。
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