犬の下痢、いつ病院に行くべきか ── 24 時間の自宅ケア基準と即受診の境目
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「軟便だから様子見していたら、3 日目で血便になり、緊急で動物病院に駆け込んだ」── 下痢は犬で頻繁に見られる症状ですが、軽症と重症の境目を見誤りやすい症状でもあります。
短期間なら様子見していいケース
- おやつを食べすぎた / フードを変えた直後の軟便(24 時間以内)
- 元気・食欲はあり、水もしっかり飲める
- 便に血や粘液は混じっていない
- 下痢の回数が 1 日 3 回未満
こんな時はすぐに受診を
- 便に血(鮮血・黒色便)が混じる
- 激しい下痢が 24 時間以上続く、1 日 5 回以上
- ぐったりして立ち上がれない、震えがある
- 嘔吐を併発し、水も飲めない(脱水のリスク)
- 異物・観葉植物・チョコ・タマネギを食べた可能性がある
- 子犬・シニア・持病のある犬で半日続く
- 熱がある(耳が異常に熱い)、お腹を触ると痛がる
考えられる病気
関連する疾患・症状
食事性の急性腸炎
最も多い原因。フード変更・拾い食い・おやつの食べ過ぎ。24 時間絶食 + 消化のよい食事で多くは改善する。
パルボウイルス感染症(子犬の緊急疾患)
ワクチン未接種の子犬で多発。激しい血便・嘔吐・脱水。致死率が高く、即受診・隔離が必要。
炎症性腸疾患(IBD)
慢性的な下痢・体重減少。治療は長期管理が中心。早期診断で予後が改善。
異物誤飲・腸閉塞
おもちゃ・骨・布など。下痢に嘔吐が併発し進行性に悪化。レントゲンで疑い、緊急手術になることも。
ジアルジア・コクシジウム(寄生虫)
子犬・多頭飼いで多い。粘液便・脂っぽい便が特徴。便検査で診断可能。駆虫薬で治療。
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炎症性腸疾患(IBD) 向け
よくある質問
▶下痢の犬に絶食させていい?
健康な成犬で 12〜24 時間の絶食は OK。水は必ず与えてください。子犬・シニア・持病のある犬は絶食しないで早めに受診を。
▶下痢の便を病院に持って行くべき?
可能であれば持参すると診断が早まります。直前のもの(数時間以内)をビニール袋で。難しければスマホで便の写真を撮るだけでも有用です。
▶下痢止めの市販薬を飲ませていい?
人間用の整腸剤の中には犬に与えていいものもありますが、原因不明の下痢に止瀉薬を使うと細菌性のものを悪化させることがあります。受診前の自己判断は避けてください。
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