猫の嘔吐・下痢・便秘が繰り返す ── IBD と食物アレルギーの見分け方
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「猫は下痢が多い動物だと思い込んで、2 年間放置していた。実は IBD だったらしく、診断時には腸が随分傷んでいた。もっと早く受診していれば」── 繰り返す症状は飼い主の「様子見」で悪化します。
短期間なら様子見していいケース
- 月に 1~2 回の下痢だけで、嘔吐・体重減少・食欲低下がない
- フード変更直後の一時的な軟便で、その後普通に戻った
こんな時はすぐに受診を
- 週 2 回以上、嘔吐・下痢・便秘が繰り返す
- 嘔吐物・便に血が混じっている
- 体重が落ちている、毛並みが悪い
- 嘔吐・下痢と同時に食欲低下
- お腹が膨らんでいる、触ると痛がる
- 便秘が 3 日以上続く、いきんでいるが便が出ない
考えられる病気
関連する疾患・症状
炎症性腸疾患(IBD)
猫の慢性下痢の最多原因。腸粘膜の炎症が続く。原因は不明が多いが、食物アレルギー・プロバイオティクス療法が効果的なことがある。生涯管理が必要。
食物アレルギー
同じフードを食べ続けると発症することもある。下痢が主だが、嘔吐を伴うことも。除去食試験で原因を特定。
腸リンパ腫
シニア猫で増加。慢性下痢、体重減少、嘔吐。内視鏡生検で確認。早期診断で治療の選択肢が増える。
便秘・腸閉塞(猫ではメガコロン)
猫は便秘になりやすい。反復的な便秘は腸が拡張したメガコロンになることがある。超音波検査で確認。食事療法・浣腸・場合によっては外科手術が必要。
🍽️この疾患に合ったフード
炎症性腸疾患(IBD) 向け
食物アレルギー 向け
よくある質問
▶猫の下痢は治らない病気だと聞いた。本当?
IBD のような慢性疾患は「完治」ではなく「コントロール」が目標です。適切な食事制限・プロバイオティクス・必要に応じて薬で症状を抑えられます。放置すると悪化しますが、適切な管理で QOL を保てます。
▶何回から「繰り返す」と判定する?
月 2 回以上の嘔吐・下痢なら、医学的評価を推奨。ただし、フード変更直後の 1~2 回なら適応期の可能性もあります。食事を変えていないのに繰り返すなら即受診。
▶受診時に伝えるべき情報は?
嘔吐・下痢・便秘の頻度(週・月)、色・かたさ・臭い、血の有無、体重の推移、食べているフード名。可能なら下痢便の写真。これらがあると、血液検査・超音波・内視鏡の判断が早く進みます。
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