犬が毛玉を吐く ── 毛球症は稀だが、他の嘔吐の兆候を見落とさない
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「毛玉を吐いてるから大丈夫と思ってたら、実は毎週嘔吐していて、背景に膵炎があった。気づいた時には体重が 2kg 落ちていた」── 嘔吐のパターンから原因を読み取ることが早期発見のカギです。
短期間なら様子見していいケース
- 月 1~2 回、毛玉を含む嘔吐をするが、その他の症状(食欲低下、体重減少)がない
- シャンプー・ブラッシング後に 1~2 回嘔吐するが、その後元気・食欲が普通に戻る
- グルーミング食材(繰り返す毛玉予防フード)で月回数が明らかに減っている
こんな時はすぐに受診を
- 週 2 回以上、嘔吐を繰り返す
- 嘔吐物に血が混じっている、黒っぽい
- 嘔吐と同時に下痢、食欲低下、体重減少
- お腹が張っている、触ると痛がる
- 嘔吐物が毛玉ではなく、食べたフードや液体(胃液・逆流物)
- 嘔吐の 2~3 時間前に異常な流涎、よだれが増える
考えられる病気
関連する疾患・症状
膵炎
食後に嘔吐、背中を丸める、お腹を触ると嫌がる症状が典型。膵酵素が上がると嘔吐が繰り返される。低脂肪食で管理が必要な慢性疾患。
胃炎・腸炎
食べたフードをそのまま吐く、酸っぱい臭い。原因は多く(食事変更、異物、食中毒など)、対症療法と原因特定が必要。
毛球症(犬では稀)
長毛種・頻繁なグルーミング時に稀に起きる。嘔吐時に毛玉を吐く。予防はグルーミング・毛球予防フードで十分。外科的除去が必要な場合は稀。
消化器がん・腫瘍
シニア犬で慢性的に週 1 回以上嘔吐する場合、重要な鑑別疾患。食欲低下、体重減少を伴うことが多い。内視鏡で確認。
🍽️この疾患に合ったフード
膵炎 向け
消化器がん・腫瘍 向け
よくある質問
▶毛玉を吐くのは正常?
月 1 回程度なら心配いらないことが多い。ただし週 1 回以上、またはそれ以外の症状(食欲低下、下痢、体重減少)があれば、毛球症以外の原因の可能性が高い。
▶毛球予防フードは効果的?
食物繊維を多く含むものが多く、月 1 回程度の嘔吐なら改善することがある。ただし、これで嘔吐が増えたり、体調が変わったら、別の原因(膵炎など)を疑い受診を。
▶受診時に何を伝えるべき?
嘔吐の頻度(週・月どのくらい)、嘔吐物の内容(毛玉・フード・液体)、嘔吐のタイミング(食後・空腹時)、その他の症状(食欲・体重・便の状態)。記録があると診断がはるかに早く進みます。
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