シニア猫の夜鳴き・徘徊 ── 甲状腺? 高血圧? それとも認知機能の低下?
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「年だから夜中に鳴くのは仕方ない、と思っていたら、体重も落ちていた」── 甲状腺機能亢進症や高血圧、認知機能障害(CDS)の重なりで起きがちな見落としです。
短期間なら様子見していいケース
- 一過性の鳴きで、日中はいつもどおり過ごせている
- 食欲・水・排泄に変化がない
- 視覚・聴覚低下に対する不安が背景で、明かりや声で落ち着く
こんな時はすぐに受診を
- 夜鳴きが連日続く、または週単位で増えてきた
- 食欲があるのに痩せる、多飲多尿を伴う(甲状腺・糖尿病・CKD の可能性)
- 同じ場所を行き来する、家具にぶつかる、家族を認識しない
- 昼夜逆転して家族の睡眠に影響する
- 瞳孔が左右で違う・物にぶつかる(高血圧による視覚障害の可能性)
考えられる病気
関連する疾患・症状
甲状腺機能亢進症
シニア猫の代表的内分泌疾患。活動性増加・夜鳴き・易刺激性・痩せ・多飲多尿が並列で起きる。血液検査で診断可能で、投薬・食事療法でコントロールできる。
高血圧症
CKD や甲状腺機能亢進症の合併として起きやすい。瞳孔の異常・視覚障害・神経症状・夜鳴きを起こす。血圧測定で早期に把握できる。
認知機能障害症候群(CDS/ARCDS)
猫でも報告されている加齢性認知症。睡眠パターンの乱れ・行動の繰り返し・家族の認識低下が手がかり。早期介入で進行を遅らせやすいとされる。
慢性腎臓病(CKD)
高齢猫の死因第 1 位。多飲多尿・痩せ・食欲低下を伴って、行動が落ち着かなくなることがある。
関節炎による不眠
シニア猫の多くに関節炎があると報告されており、慢性痛で夜が眠れず鳴くことがある。鎮痛のコントロールで生活の質が大きく変わる。
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慢性腎臓病(CKD) 向け
よくある質問
▶CDS と他の疾患はどう見分ける?
血液検査と血圧測定で「治療可能な内分泌・腎臓・血管の病気を先に除外」してから CDS の診断に進むのが一般的です。CDS と内分泌疾患は併発することも多く、両方の管理が QoL を上げます。
▶家でできる支援は?
日中の刺激と運動(じゃらし・上下運動)を増やす、夜間の照明を一定に保つ、家具配置を変えない、トイレを増やす。サプリ(DHA・EPA・抗酸化)や食事療法も選択肢として獣医師と相談できます。
▶受診時に伝えるべきことは?
行動変化の開始時期、夜鳴きの頻度・長さ、食欲・水を飲む量・体重の推移、瞳の状態の変化、トイレを失敗するかどうか。PetCase のデイリーログがあると、進行のスピードを共有できます。
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