フトアゴヒゲトカゲが食べない ── 温度? ブルメーション? それとも病気?
このコラムは診断・治療を行うものではなく、獣医師との対話を助けるための情報整理です。 記載の症状や受診目安は一般的な目安であり、個体差・持病の有無によって判断は変わります。 最終的な判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「冬だしブルメーション(疑似冬眠)だと思って様子を見ていたら、痩せ細っていた」── フトアゴはブルメーションと疾患の区別が難しく、見極めを誤ると進行を許してしまいます。
短期間なら様子見していいケース
- 冬季のブルメーションで、体重減少が緩やか(週 1% 未満)
- 基底温度を 26℃ 以上に保ち、活動が緩慢でも体重が大きく減っていない
- 時々起きて水を飲み、糞は出ている
- 皮膚や目に異常がない
こんな時はすぐに受診を
- 夏季や繁殖期に 2 週間以上まったく食べない
- 体重が 2 週間で 5% 以上減った
- 糞が出ない・尿酸塊が異常に小さい
- 顎・口元の黒ずみ・腫れ・潰瘍がある(CANV・口内炎の可能性)
- 皮膚に黄色のかさぶた・脱皮不全がある
- メスで卵塞のサインがある(お腹の膨らみ・いきみ)
考えられる病気
関連する疾患・症状
ブルメーション(疑似冬眠)
冬季の自然な低活動期。代謝が落ちて食欲が低下するが、体重は大きく減らないのが普通。温度を 20〜24℃ に保ち、軽い飲水を提供して経過観察するのが一般的。
黄色真菌症(CANV/Nannizziopsis 属)
フトアゴで広く知られる真菌感染症。顎・口元・尾の付け根の黒ずみと脱毛、潰瘍が手がかり。早期治療で予後が変わる。
アタデノウイルス感染
幼体〜若体で多く、慢性的な拒食・痩せ・元気消失を起こす。確定診断は PCR 検査。同居個体への伝播に注意。
寄生虫感染(コクシジウム ほか)
糞便検査で見つかることが多い。慢性的な拒食・下痢・痩せが手がかり。駆虫で改善する。
MBD(代謝性骨疾患)
紫外線(UVB)不足とカルシウム不足で起きる。骨の変形・震え・拒食・口を閉じられないなどが手がかり。早期の環境改善で進行を止められる。
卵塞(メス)
お腹の膨らみ・いきみ・拒食・元気消失が手がかり。緊急性が高く、卵管炎・腹膜炎を起こすと致命的になる。
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よくある質問
▶ブルメーションかどうか家で判別できる?
体重の推移と排泄が決め手です。週単位で体重が大きく落ちていない・尿酸塊が出ている・刺激に反応するなら、ブルメーションの範疇とされています。逆に痩せ続ける・反応が極端に乏しい・脱水サインがあるなら病気を疑って受診してください。
▶飼育温度と UVB が大事と聞いたけど、何をチェックする?
ホットスポット(バスキング)35〜45℃、クール側 24〜28℃、夜間 18〜22℃ が一般的な目安。UVB ライトは 6〜12 か月で交換が推奨されることが多いです。距離・反射板・季節での照明時間も見直してください。
▶受診時に伝えるべきことは?
いつから食べていないか、体重の推移、便と尿酸塊の状態、ケージの温度(ホット/クール/夜間)・UVB ライトの種類と交換日、最近のレイアウト変更や同居個体の追加。可能なら糞便のサンプルを持参すると検査が早まります。
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